

2026.04.18 | おいしいの舞台裏
日本海の、厳しい風と荒波にさらされる場所。
新潟県と山形県の県境
自然の力がむき出しのまま息づく海辺から、この物語は始まります。

~高岡さんの縁塩~
それは、ただ“しょっぱい”だけの塩ではありません。
人と人、土地と時間を結び続けてきた縁(えにし)の結晶です。
この塩は、一度の製造でできる量が他社の約半分。「効率化」とは、真逆の選択です。
けれど、その「半分」には理由があります。自然のリズムに、ただ静かに寄り添うこと。
その結果としてしかこの塩、この味は生まれません。
海水はまず「潅水(かんすい)」という工程で、
塩分を3%から25%へ、3日から4日かけて濃度を高めていきます。
火に頼らず、時間に任せる。
低温でじっくりと仕上げることで、雑味のない、澄んだ塩の土台がつくられます。
結晶化の工程でも、決して沸騰させません。
急激に熱を加えれば、量は増える。しかし、それでは余計なにがりが出てしまう。
だからこそ、あえて遠回りをする。ゆっくりと育てられた結晶は大きく、
角が取れ、やさしい甘みを帯びた粒へと変わります。
さらに、この塩には少し珍しい工程があります。
一度乾燥させた後、もう一度、乾燥釜で丁寧に仕上げる二度の乾燥。
苦味や雑味を極限まで削ぎ落とし、最後に残るのは、ほんのりと甘さを感じる、まろやかな余韻だけ。
受け継がれる平窯の記憶
かつて日本の塩づくりは、鎌倉時代から昭和初期に至るまで、「平窯」という製法で結晶化が行われてきました。
やがて効率化の波の中で、科学的に海水から塩を抽出するイオン膜交換法が主流となり、平窯は日本からほとんど姿を消してしまいました。
けれどこの製法こそ、時間と手間を引き換えにミネラルをしっかりと残す技術。
「本物を残す」とは、ただ昔に戻ることではなく、価値あるものを未来に手渡すことなのです。


“縁”がこの塩を支えている
埼玉県で生まれ、福島で就職。
東日本大震災でも被災し、新潟で出会った先代との縁で事業継承し新潟で塩を作る事に。
この塩は、一人では続けられませんでした。
地元の人々、自然、そして流通。
多くの支えがあってこそ、今があります。
その想いを込めて、会社の名は「えん」。
そしてこの塩は——
「高岡さんの縁(えにし)塩」と名付けられました。
日本海の厳しい荒波に磨かれた海の恵み。
時間に育てられたやさしい結晶。
まるで高岡さんの優しい人柄を表現するかの様な甘みがあり素材を引き立てる味。
口にした瞬間、ただの「塩」ではないことがわかるはずです。
それはきっと、この土地と人が紡いできた“縁”の味だから。

【販売店舗】エブリイ全店(業務スーパー堀南店・下中野店・熊野店・三原本郷店・宮内店・新市店・庄原店・久世店・吉備津店・邑久店・広島八丁堀店・倉敷羽島店は除く)
